最近の映画が少しおかしい?

知り合いから招待券を戴き「ミッドナイトバス」を観てきました。長い!映画よりTVドラマ向きかな?原田泰造がふたりのイイ女に好かれるほどの魅力不足。何より新潟弁の会話がなく残念でした。昨今の映画は洋の東西を問わずなんだかおかしいと感じているのは自分だけだろうか?
BSでデジタルリマスター版の西部劇の名作「シェーン」を久し振りに堪能した。


「もう、おまえの時代は終わったんだ」 
「じゃ、おまえはどうなんだ」 
「俺は自分の引き際を心得てる」
ウィスキーを飲まず、いつもブラックコーヒーしか口にしない不気味な黒手袋の殺し屋「ウィルソン」(ジャック・パランス)対バックスキンの上下に優しい眼差しの「シェーン」(アラン・ラッド)そしてクライマックスの耐えに耐えていたガンファイト!
 1889年残雪の山並み、ワイオミングの雄大さ、名曲「遥かなる山の呼び声」監督はこの「シェーン」「ジャイアンツ」「陽のあたる場所」と変わりゆくアメリカの節目を描きアメリカ三部作とも言われた名匠「ジョージ・スティーヴンス」がメガホンをとり、西部劇の最高傑作と言う人も数多い。史実によるとアメリカ政府がフロンティア(西部開拓時代)の終焉を宣言したのが1890年。その一年前の物語。大地主の牧畜業者と開拓民の争いに最後の流れ者「シェーン」が巻き込まれ、正義と失われゆくヒーロー伝説や男同士の友情、家族のために働く男の意義、少年から見た英雄、人妻とのほのかな恋などを情感豊かに描いた西部劇史上、名作中の名作「シェーン」 配給パラマウント 1953年118分
残雪が綺麗な雄大なワイオミングの山脈を見晴らす草原を馬に乗ったガンマンがゆっくりと荒野の農家に近づいて来る。未知なる英雄を感じとった少年の瞳。「やぁ坊や、俺をじっと見ていたな。周りをよく見る男の子は好きなんだ。大物になる」
 何年も格闘してきた畑の真ん中の巨大な根っこをジョーイ少年の父「ジョー」(ヴァン・へフリン)と「シェーン」が汗と泥にまみれ切り倒す感動的なシーン。「ジョーイ」の母「マリアン」(ジーン・アーサー)との淡くはかない恋。
「ママ、ぼくシェーンを好きになっちゃった!」
「ジョーイ、あまりシェーンを好きにならないで」
「ママ、何故?」
「好きになると別れがつらくなるから・・・」  
     
全篇に流れる暖かさや、少年「ジョーイ」の目線で語られるヒーロー像はいつ観ても心に染み入ります。開拓者たちを力づくで追い出そうとするライカ―兄弟たち。
不敵な笑みの黒づくめの殺し屋との対決!映画史上に残る0.6秒の早撃ち!
決闘で傷ついた「シェーン」は「ジョーイ」に言う「人を殺したら二度と戻れないんだ」無法者やガンマンたちの時代が終わったことを観客は知る。「ジョーイ、家へ真っ直ぐ帰って、強い男になれ」
「シェーン カム バック!」ジョーイの声がこだまする平原をシェーンは去って行く…。
そして傷ついた「シェーン」は峠を越えて行く。ラストシーンスクリーンの端に見える十字架の意味するものは・・・。


直近の映画概況
 日本映画製作連盟が2017年の全国映画概況を2018年1月25日に発表した。
邦洋画を合わせ公開本数は1187本で過去最多で1日何と3.25本公開されたことになり
空前の映画ブーム?だったようだ。しかも最近の傾向として興行収入順の上位で見ると邦画が
30本で洋画が12本と邦画が圧倒的に興行収入を上げ人気だった。しかし邦画・洋画の上位
5位までを見ると
第一位「名探偵コナン から紅の恋歌
 二位「ドラえもん のび太の南極カチコチ大冒険
 三位「銀魂
 四位「ポケットモンスター キミにきめた!」
 五位「君の膵臓をたべたい」
洋画部門
第一位「美女と野獣
 二位「ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅
 三位「怪盗グルーのミニオン大脱走
 四位「パイレーツ・オブ・カリビアン 最後の海賊」
 五位「モアナと伝説の海」
と、なっている。これでいいのか?日本を含めた世界の映画界よ。映画はしょせんビジネス、
興行成績を上げ儲けなくてはならないから商業として考え、とにかく大衆が映画館に来てもらい、公開が終わればDVDなどソフトとして販売したり、レンタルビジネスで更に売り上げを
積み重ね、最後には衛星放送、ケーブルテレビ、地上波テレビでの放映など儲けるだけ儲ける
それがビジネス、だからテーマや内容などより、まず大衆が喜ぶニーズを捉えた企画がものを
言う。最近の映画製作会社やプロデューサーたちはみんなビジネスマンで、とてもお金儲けが
上手だということなんだろう。テレビが家庭に普及し始めた昭和30年代の後半「テレビは文化」
とテレビ局も創り手も自負して視聴者も文化を感じていた時期が間違いなくあった。しかし今
そんな香りなど消え果て情けなくも「テレビは日用雑貨」あるいは「スイッチひとつで見れる
動画週刊誌」に成り下がってしまった。映画もその昔、大衆にとって、まさしく「映画文化」と思っていたし、「総合芸術」として燦然(さんぜん)と輝いている存在だった、しかし昨今の
映画は果たしてどうだろうか・・・?