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実写版 ライオンキング

最近、コミックやアニメ映画の実写版がブームなのでしょうか?日本でも「空母いぶき」と「アルキメデスの大戦」が相次ぎ公開された。原作は2つ共、コミックで私はどちらも読んで(見て)いないので白紙の状態で映画を観た。「いぶき」は近未来の仮想敵国はどうやら中国や北朝鮮らしいが映画では国籍不明の第三国として描かれていた。最近のCGの技術や映像美は目を瞠るものがあり、むしろ演技する役者の存在やストーリーさえもCGが創り出す「シーン」に目を奪われているようにさえ感じる。

「いぶき」で感じた違和感はいくら沖縄の海上と言えども12月のクリスマス前後の季節で航行中の空母甲板上では相当風も強いし、寒いのではないかと思えるのに偶然乗り込んだ雑誌社の女性記者の髪がそよぎもしないし、寒さに震えもしないことが現実離れしていたし、緊張感を腰折るように都会のコンビニの店長(中井貴一)やコンビニスタッフのクリスマス商戦の様子が時々インサートされるが編集意図が分からない。ひょっとしたら中井は女性記者の父なのかとも思ったがそうではなく、ただ緊張感をほぐす存在だったようだ。

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コミック「空母いぶき」

アルキメデス」はなかなかよく出来たストーリーだ。映画のオープニングでいきなり沖縄へ特攻として向かう「戦艦大和」がおびただしい米軍航空機により攻撃され沈没するシーンで始まる。編集の妙がいかんなく発揮されている。「大和」からの銃撃で墜落した米軍機操縦士が海水に漂っているところにフロート付きの救難機が戦闘中に着水し「大和」乗組員が唖然とする中、スピーディーに救出するシーンが挿入され、日米の兵士に対する考え方が観客に伝わる。更に後半「巨大戦艦」か「航空機重視の空母」かの海軍省での息詰まる会議は緊張感溢れ、セリフも長く見ごたえ十分。鉄材の目方から方程式で建設費用を積算することで追い詰める空母派(山本五十六ら)だが、国際法上軍備(戦艦の排水量総トン数、建設費用など)を世界に公開する義務があるため敵国に悟られぬため①わざと過少にする必要があったと開き直る戦艦派の逆襲とクライマックスで天才数学者の主人公(菅田将暉)が敵対した戦艦設計者(田中泯)を訪ね主人公が計算するため仮想で描いた設計図の巨大な模型を見せられ「どうだ、自分の想像した②巨大戦艦が海に浮かぶのを見たくはないか?」と心の奥を覗き込む誘いの言葉に動揺する天才数学者「櫂」更に「この戦は必ず負ける。明治の日清、日露戦争以来勝つのが当然と考えている③日本人は負ける現実を知らねばならぬ。だから日本民族の象徴とも言えるこの巨大戦艦が沈むことで敗戦を心に刻む必要があるのだ。だからこの戦艦の名前は日本民族を象徴する【大和】とするのだ」と言う。後半に観客に突き付けられる下線部分の二重、三重の落ちがとても良く考えられている。この作品は戦争映画と言うより巨大戦艦制作秘話を巧みにエンターテイメント作品に仕上げたことに成功している。

かって「史上最大の作戦」「空軍大戦略」「バルジ大作戦」など実録戦争映画がハリウッドで作られた時代があったがそんな時代でも「荒鷲の要塞」「鷲は舞い降りた」「ナバロンの要塞」「大脱走」など活劇やミステリー要素を盛り込んだ魅力的な作品も多くあった。本作はその流れをくむ作品と言えよう。

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良く出来ているアルキメデスの大戦

ディズニーはこの数年、過去のアニメの実写版を次から次と「セッセ」と制作している。これもCG技術が飛躍的に上がった為かとも思える。美女と野獣、アラジン、そしてこのライオンキングなど。制作意図は分からないが、想定できるのはシナリオやストーリーを新たに作る必要がないことや世界各地のディズニーランドのテーマパークを再生できることなどはあるだろう。マンネリ化するキャラクターを再び魅力的に描き新たなファン層を獲得し、ランドに呼び込む。どう考えても新たなキャラクターやストーリーを創り出すよりコストは安く済むだろう。新たなキャラクターのため新たなテーマクを造る資金も土地もそれなりに大変だろう。こんな考え方をするのは「ヒネクレ」者でしょうか?ちなみに「ライオンキング」は観ていません。

息子がまだ小さい時、私の膝の上で夢中になり、観ていたことを思い出します。まだ、コレクションの中にディズニーアニメが沢山あります。

それにしても猛暑!です。家の中で過ごすのが一番です。皆さまご自愛ください。