V-storm50の時々日記 報告



上の村の名前スンナリ言えますか?
先週の8日から11日までの3泊4日をかけて見附市議会産業厚生委員会の行政視察として北海道に視察に行ってきました。
訪問自治体は十勝地方の帯広市芽室町と北海道の中心部の上富良野町の3か所の自治体です。以下、簡単な報告を
させて戴きます。

8日見附駅を出発し東京の羽田空港から飛行機で帯広市へ到着、午後より帯広市役所を訪問しました。
視察内容は帯広市を中心に十勝地方で行っている「フードバレーとかち」の取り組みについての視察です。
帯広市の面積は東京23区とほぼ同じ、十勝全体は岐阜県とほぼ同面積でまちの歴史は明治15年民間の晩成社が開拓し、
昭和8年に市制施行され26万の人口、気候は極寒の地ですが年間の日照時間は意外と長く、降雪量も比較的少ない土地柄。
このような気候の中で全国の農産物構成比率として小豆は52.1%てんさい(砂糖大根)44%馬鈴薯32.4%小麦24.2%等で
日本屈指の農産物生産の地域の特性を最大に生かす農産物を中心にそれを加工品にしたり地元グルメとして売り出すなど
地元を中心に生産、加工、販売までを大きなプロジェクトとして展開しています。また、本州から多くの会社も進出し、
コーンの缶詰、野菜ジュース、スナック食品などをこの地区で加工し、全国規模の流通との取組みにチャレンジしている
地域です。例えば消費者から分かり易く言えば「赤福に使われる小豆」「カルビーのポテトチップス」「アオハタコーン
缶詰」などなどです。
展開方策では
1 農林漁業を成長産業にする
2 食の価値を創出する
3 十勝の魅力を売り込む

更に課題として
1 十勝管内自治体間の連携
2 起業・農業者の取り組み方法
3 企業・農業者を支援するツール
4 住民理解の促進
5 農業者・商工業者の人材育成

などです。
私は質問で「育成、加工、販売」などを一括して出来るだけ永続的且つ、安定的に可能なルートづくり=イオン・ジャスコ
ヨーカ堂など量販大手販売チェーンとのコラボをどう考えるか?」に対し、十分分かっているものの、一番大事なその
パイプ役などの人材不足やマーケットへ繋げる手段などが今後の課題との答えでした。
ここが行政の一番の苦手のウィークポイントでもあります。
この帯広地域は1トンの農耕馬に1トンのそりを引かせ泥道の坂道をレースする「ばんえい競馬」のまちとしても有名です。


次の視察地は芽室町です。帯広市から車で20分ほどの西側に位置する人口19,300人ほどの小さな町「メムロ」はアイヌ語
「メムオロ」=泉や池から流れてくる川を意味しています。農産物ではスイートコーンやビートの生産量は日本一の町です。
視察目的は芽室東工業団地です。この団地は昭和46年度に着工し、現在分譲率は95%を超え企業数230社社員数3,000人
内町民は700名という大変成功した工業団地です。また、進出企業が省エネや障がい者雇用の企業など現在の価値観や
コンセプトでの経営を柱とする企業も多くあり全国的にも自治体の工業団地として成功しています。製造出荷額は754億
と経済効果も大きなものがあります。
優遇制度としては
固定資産額相当額を5年間免除してますが以下の条件ならば最長で10年間免除されます。
1 食品製造業であること(これは北海道の地元農家の経済などを考慮)
2 東工業団地での新設か増設であること
3 町内在住者10人以上を10年間常時雇用などが免除対象
この工業団地の特徴は北海道の特徴でもある農産物中心の集積冷凍配送などの企業や農産物等の食品加工会社などへの
優遇措置を明確に打ち出していることだ。
また、交通アクセスも帯広空港へは35分道東自動車道まで8キロなど見附市の中部産業団地にも言える好立地条件の工業
団地とも言える。
また、この芽室町はゲートボール発祥の地でもあります。また、横綱大乃国」の出身地でもあります。更に町民と行政
との協働のまちづくりのまちとしても先進的な取り組みを行なっていることでも有名な自治体です。


上の写真はトイレ休憩地のアイヌの建物で今は土産売り場となっています。
最後に富良野を訪れました。以前TVドラマとして視聴率の高かった倉本聡の「北の国から」の舞台となったあの富良野
です。フジテレビで1981年に制作されたこのドラマは美しい富良野の四季の中で都会で離婚した中年男が幼い兄と妹を連れ
北海道の大地や厳しい自然と闘いながら人間として本当の幸せとは何かを視聴者に問い続けました。さだまさしの主題歌も
素晴らしく日本の数々のドラマの中でも光り輝く傑作と言われています。幼い兄妹を演じた吉岡秀隆クンと中島朋子さんも
あれから31年たち日本を代表する俳優になりました。移動のバスの窓からロケに使われた場所や建物を運転手さんが運転し
ながら説明してくれたことも嬉しかったです。

訪れた自治体は上富良野町です。視察目的は政府が決定した「特別交付税の交付」措置を市町村の経営する病院を
選別し、交付する病院と交付しない病院とを決定する。要件として直近の一般病院までの移動距離が15キロ以上、または
直近の国勢調査での「人口集中地区」以外の区域に所在することなどとしました。

この選別により交付が打ち切られることになる公立の病院は全国で9病院で北海道4、岩手1、福島1、鳥取1、石川1、
そして新潟では見附市立病院がその対象となり、地域の医療を支える根本が崩れようとしています(未確定もあり)

①あなたは、親を自宅で看取れますか?施設ならどこを希望しますか?
②あなたや家族が、長患いになり、1週間に1度通院をお手伝いできますか?
③あなたは、いつまでも「車とお金と体力」がありますか?

やっぱり、近くの公立病院が頼りになりますよ!
失って、そして自分が運転できなくなってはじめて分かる地元商店街とおんなじです。
上富良野町立病院も見附市立病院と同じ「特別交付税の交付対象」から外されそうになっています。共通の問題を抱える
自治体同士で情報の共有や連携した国への働きかけをしなければなりません。今回の視察のメインテーマです。
上富良野町立病院事務長の説明と病院視察の中でこれからも粘り強い交渉が必要と痛感しました。
この町立病院も昭和55年に建設されすでに33年が経過し、老朽化や施設の不備など使い勝手の悪さが多くあり、説明と
病院を案内された山川事務長はユーモアを交えながらも嘆いておられました。ありがとうございました。
富良野で有名なラベンダー畑ですがまだ残雪も道端に多くあり綺麗な景色とは言えない季節ですがどこまでも真っ直ぐに
伸びる道路や畑の大きさなどさすが北海道という大地と自然の雄大さと少し日本離れした景観に感動した視察旅行でも
ありました。日程ギリギリの視察だったことと、移動の時間がかかったので帰りは午後6:45乗り込みの苫小牧発の
日本海フェリーで午後7:30出港で新潟港には翌日の午後3:30頃の到着でゆったりと寛げました。
帯広市芽室町上富良野町の皆様大変お世話になりました。