今年から来年へ


来年は何が見れるかな!?
今年も残すところあと2日となりました。いろいろなことがあった今年ですが来年はどんな年になるのでしょう?考えて見れば今から11年前の平成16年ころから少子高齢化と言う言葉が盛んにマスコミ等で使われてきたように思います。見附市では65歳以上のひとたちの人口⇒高齢化率は約29%です。この比率がこれから上がってくるわけです。高齢化に伴い社会保障や地方経済も消費傾向も少しづつ変化が起き今までの常識や価値観、経済、社会構造も変化してくると考えられます。高齢化率の上昇と共に逆に労働人口は減少することになります。18歳から64歳までが労働人口と呼ばれ働いて収入を得ている人たちの事で見附市は私の推計ですが23,000人くらいかと思います。

仮に将来この労働人口が半減すればそのままの給与であれば総所得も半減し、地方経済は益々低迷することになります。果たして企業は給与を上げて行くことは出来るのでしょうか?高齢者が増加し労働人口が減少すれば若干の代替え需要はあるものの全体として新規需要が減り当然消費人口が減り製造業が中心である見附市も厳しい経済環境となることが予想されます。見附市の企業の製造業が占める割合は繊維を中心に約27%それに建設業なども加えると約35%(私の推計ですが)となり影響は大きいかと思います。加えて数十年前から繊維は海外のコストに対応できず全体の発注も年々減少してこのコストに対応すべく機械化出来る部分は設備投資しています。機械化することは別の見方をすれば少人数で生産ロットを上げることにも繋がり、売れていないのに作り続けなければ業績を存続出来ないという皮肉な結果となり市場にモノが溢れ値崩れを起こしデフレとなることも考えられます。(ちなみに見附市の製造業に携わる従業員数は約5,500人で製造業の比率の25%は全国、県内の平均より高く影響は小さくありません)

人口減少、高齢化を考えた時最早、大量消費、使い捨ての時代に決別し、地球環境も考え循環型社会や消費構造の新しい考えにシフトする時代ですが果たしていいものを少し高くても長く愛用すると言う今までと反対の思考が出来るのでしょうか?私もかってアパレル産業の社員で多くのデパートやアパレル、お店等にニット製品を企画製造販売していましたが普通売れると思われる予測を立てロット、カラー、サイズ、投入時期、上代設定をして店頭に並べる訳ですが結果として売り切れずバーゲンセールとして10%〜際限のない割引をしてしまい、益々そのブランド価値やお店のランクを下げてしまう負のスパイラル減少が今までの仕組みややり方の中で定着してきました。

私は日本が世界に誇る川久保玲さんやジュンヤ・ワタナベさんが作る「コム・デ・ギャルソン」のニット製品をかって取引し作っていました。この「ギャルソン」は色数は精々2色〜3色、サイズは2種類くらいで元々ロットも大きくなく作りは大変難しく作り手、工場泣かせでした。難しいと言うのは大量生産には向かない作りと言う意味で難解や複雑とは違う意味です。普通のブランドは出来るだけ色数やサイズを増やし似通ったデザインも数種類作り出来るだけ多くの消費者に対応するようにしていますが「ギャルソン」は真逆の方向で言わばブランドの方が着る人を選んでいるのです。この「ギャルソン」を着るためにお小遣いを節約し、ダイエットして!姿勢や歩き方にも気配りし!他のアイテム(靴やバッグ、時計)などにもこだわり!「ギャルソン」を着て行く場所まで考えるんです!だから世界中の若者にステイタスとして憧れのブランドに成り得るのでしょう。他のブランドが売れ残りバーゲンするのに「ギャルソン」は余り残りませんし仮に残ってもバーゲンなどせず税務署員に立会いさせ焼却処分とするのです。ブランドイメージを維持し、ファンに常に枯渇感を与える見事なまでのブランドポリシーを貫き「神話」を創りあげたのです。

安くていいモノも確かに必要でしょう。また、工業化して品質の安定した均一の製品も価値があります。その中でも素材にこだわり、丁寧な手作りによって見た目、手触り、使用感、操作感そして何よりも持つことの喜びを感じ続けられるモノも大切です。使い捨て、大量消費の時代を見直す今だからこそ。

日本人だけでなく世界の多くの人達も手作りで丁寧に創られた品々を親子数代まで手渡しし、長く愛用してきた時代があったのです。余りにもサイクルの早い新技術革新が常識化して先端的な商品が世界を駆け巡ってきましたが見直す時代となったように感じます。私は10代から続けてきた趣味にオーディオとビジュアル(これをオーディオのAとビジュアルのVでAVと言いますが)があります。現在も愛用しているスピーカーは何と1949年(私の生まれた年)に販売されたJBLのユニットを未だに聴きこんでいるのです(何と生誕67年を迎えることになります)アンプやデッキやプレーヤーは何世代か買い換えましたが、このスピーカーだけは手放せません。正月もこのJBLで好きな音楽や映画を楽しみたいと思います。皆さん良い年を!