日本人と選挙制度 締め括り

先回の続きⅡ

小選挙区制と併用し「比例区」を導入し選挙民が否定した候補者が比例で復活当選するなど「民意」を無視した結果となることに多くの国民が「納得」出来ない「違和感」も現在の選挙制度では解決出来ていません。
現実として「金の掛からない選挙」が出来ないならば国税を使う「政党交付金」や献金企業等が見返りを求める「各企業の企業献金」などをどのように透明化するのかでしょうが誰が考えても見返りの無い「企業・個人・団体・組織等)献金などは考えられないかと思います。背景として「リクルート事件」など際限のない汚職事件の頻発する中で抜本的に解決するため(出来ないくせに)企業・労働組合・団体などから政党・政治団体への政治献金を制限する代償として1990年代の政治改革論議において浮上し、1994年に政党助成法を含む政治改革四法が成立し導入された法律はまさに「ザル法」とも皮肉られながら現在まで政治家や政治団体はあらゆる手段を講じ、献金を受けている。
政党交付金の総額は総人口に250円を乗じた額とされその総額は300億円を超えその使途は政治家個人の裁量に任され、報酬と公設秘書、交通費などの特典を併せ国会議員一人当たり約2億円の歳費となっていて「国会議員になったらやめられない」と思う。日本と同じ二院制のイギリスでは総額は200万ポンド(約2億9,200万円)と固定されその使途も政策立案活動に限定されている。
また、選挙民(国民=市町村県民など有権者の全て)も政治団体の主催する議会報告会、忘新年会、研修旅行、など後援会が主催するありとあらゆる集会に参加し会費以上の飲食や特典を期待し、現実にその「恩恵」を受けていて政治家だけが汚いなどと言えた義理ではない。また地元神社などの祭礼でも「初穂料」などの名目で政治家からの現金を期待している。政治家となると年賀状も出せないし、町内のイベントにも寄付金は出せないのに実は堂々と行っている。日本人特有のお互いがもたれ合う習慣(お土産、お歳暮、年始、お中元、ご祝儀などなど)がある以上、政治家や政治、政党だけにクリーンを求めても無理です。国民の殆んどが、ご挨拶、お礼、お返し、記念など日常的に金品のやり取りを行い習慣化していますからね。
守れないし、守る気持ちもお互いにない習慣が現実なのに法律が作られ「選管」が形式だけ「明るい選挙」を謳っている。
これらの様々なうわべと現実が存在している中で現在は小選挙区制が実施されている。二院制、議院内閣法、参議院の存在理由、政党政治なども含め選挙制度を考えなければ単に「小選挙区制」と「中選挙区制」を比較しても結論は出ないと考えます。
もし仮に「自民党」以外の政党が今後育ち米国のような政治体制が出来て(この場合は旧保守と新保守のような)選挙の度に「失策」「失言」「不祥事」など言わば「週刊誌」的な事件でその都度政権が代わり、法律や制度まで変わる様な状態も逆に国民が
不幸になるのではと思います。昔は「国家百年の計」と言われましたが現代はそこまで言わないものの少なくても「10年〜20年」くらいのスパンで国家戦略や国際関係の基本方針を国民に示し、何を進め何を我慢するのかを示せないような政治家や政党では情けない。
小選挙区制度」と「中選挙区制度」を比較しても結論が中々でません。それくらい難しい問題でメリットもデメリットもある制度なのでしょう。どちらも欠点があるなら「併用制」も


考えられますがやはり中途半端な効力の薄い制度となるように思います。根本的に制度を変え米国の様に大統領制など考え出したらキリが無い大きな問題に発展するようです。理想は国民ひとりひとりが政治家や政治を育て、見守り、チェックする意思を持ち続けられるかだと思います。「世襲」「政治資金」「後援組織」など「是は是、非は非」と言えるなら「小渕優子」は政治家をやっていられないでしょう。本人も辞める気も無いし罪悪感もなく「運が悪かった!」程度の認識しかなく、後援会組織も同様で、一層組織固めをするだけでしょう。それが日本の現実の政治家と選挙民だと思います。

最後に政治、文化、芸術はしょせんその国の国民のレベルに比例すると言う言葉があります。その通りだと私は思います。

議員定数、身分、報酬、選挙制度等々様々な制度、法律など多くの制度も考えなければ「小選挙区制」や「中選挙区制」それぞれのメリット、デメリットも結論の出ない問題ではと思う次第です。


本日、朝8時30分から見附市原子力防災訓練が行われました中越地方に発生した大規模の地震により東京電力柏崎刈羽原発で冷却装置等が停止、半径30キロの範囲に屋内避難指示が出たとの想定での訓練です。「訓練」とはいえ緊迫感漂うリアルな対策本部での緊急会議や訓練が行われました。あってはならないことですが日頃の訓練も大切ですね。ご協力いただいた杉沢堀溝地区の皆さまご苦労様でした。