小選挙区制度と中選挙区制度


前号からの続き
従来の中選挙区制から各選挙区で1名しか当選できない「小選挙区制」を導入するに至った背景には戦前、戦中、戦後を通じ保守政党の独裁政治による政権内部の腐敗と政権与党と官僚との癒着、更には財界や企業等の利権を引き換えにした政治資金が政党勢力に直接影響力を与える構造的な汚職などが国民の間で積年の「政治不信」となり政治離れ(投票率の低下)を一層加速した社会状況なども勘案し選挙区制度そのものを改革しようとした動きの中で制定されたように思います。

それまでは企業や団体、組織からの「献金」と言う寄付行為(=汚職となる可能性大)も社会問題化し、それにより「政治資金規正法」を作らざるを得なくなった政治は「金の掛からない選挙」を目指すとしながらも今現在まで「既得権益」を何が何でも守りたい組織(例えば戦没者傷痍軍人等遺族年金団体・特殊法人等無数ともいえる)などの支持組織とお互いの存続のために結び付かざるを得ない状況下の関係だったように思います。また、金の掛からない選挙などどこの国を例にとってもあり得ない現実です。

政治=汚職を払拭するためには「クリーンな政治・選挙」をどう国民の前に明らかにするのかと言う課題の果て、企業年金を廃止し、税金からの「政党交付金」を支給する法律を策定し、現在の仕組みになったと記憶しています。
しかし、法の網はいくらでも潜り抜ける手段はあり、大企業では社員にボーナス等の名目でお金を渡し、個人として特定の議員に個人献金として寄付させるなどどうにでも処理することが可能です。
政治資金が各政党に勢力(議席数)に応じ、交付され「小選挙区」の制度の中で「公認」として選ばれる「議員」は「応援」面「資金支給」面など全てにおき党の方針に「絶対服従」の選択肢しかない「陣笠代議士」を生むことになると思います。「小選挙区制」は政権交代を視野に入れた選挙制度

「オセロゲーム」で言えば白が一瞬で黒になるとした考えでこの考え方はある意味一番日本民族にそぐわない制度フランス革命のギロチン、大統領を暗殺する米国)とも言えるのではないかと思います。(明治維新でも徳川慶喜は死刑にならず、太平洋戦争でも東条英機GHQの裁判により死刑となったので、もし、日本人の手で裁判が行われたならば極刑は免れたのではと思います)

小選挙区制と併用し「比例区」を導入し選挙民が否定した候補者が比例で復活当選するなど「民意」を無視した結果となることに多くの国民が「納得」出来ない「違和感」も現在の選挙制度では解決出来ていません。
又続く。