V-storm50の時々日記 風に立つライオン


2011年3月25日東日本大震災の瓦礫で一面埋め尽くされた廃墟の中に一人の黒人青年が立っていた。物語はここから始まる。
さだまさしの「風に立つライオン」を原作の同名映画を観てきました。
実在の医師をモデルに1987年さだまさしが発表したこの「風に立つライオンさだまさしの唄はいつも「情景」が浮かぶのです。唄を聞いていて情景(シーン)が目の前に広がるんです。大概の唄は「イメージ」だったり「刹那」だったりするように思います。特に昨今の唄は言葉の遊びや語呂合わせで日本語を音符の様に英語とかみ合わせ符牒のように歌っていたりします。それはともかく、主人公の青年医師「航一郎」を演じる大沢たかおが実に楽しそうに役になりきり演じている。貧困そして武力紛争の犠牲となる少年たちの体と心の傷を治す懸命の医療活動をケニアで行う。現地には看護師の和歌子(石原さとみ)もいる。しかし結婚できない。彼には日本に残してきた同じ大学で医療を学んだ恋人貴子(真木よう子)がいる。彼女もまた、生まれ故郷の五島列島で父親の診療所を受け継ぐ運命に…。ケニアの大人や子供たち、国際医療団の白人たち、そして五島列島の胡蝶島のお年寄りの患者たちなど現地の人々をそのまま登場させていて、この物語のリアル感を尚、一層感じさせてくれる。

この作品で、本当の医療とは、人が人を愛するとは、やさしさとは、感動しながら生きるとは、そんなことを教えられました。最後にさだまさしが唄う「風に立つライオン」は格調高く感動的です。涙が止まらず、場内が明るくなるまで席を立つ人もいませんでした。