V-storm50の時々日記 少子化の背景


少子化の背景(県民アンケート)として5回シリーズで新潟日報に連載された記事。
世界に例を見ない少子高齢化の影響は日本の未来に向け大きな影を投げかけていて国家的な課題とされ特に新潟県のような人口流出地域にとっては県をはじめ県内各自治体でも大きな問題としてその対策が望まれている。10数年前までは行政やまちがお見合いパーティーなどを企画して男女の出会いの場を作るなど到底考えも及ばなかったことと思う。

男女の出会いの場から始まり、不妊治療、不育症援助、出産子育て支援、義務教育の対するさまざまな援助、授業料免除、奨学金制度に至り、更に新居や住宅資金援助まで結婚、新居、子作り、子育て、教育、など男女の出会いから子供を成人させるまで様々な援助を各自治体が行い少子化を食い止めようと努力しています。

少子化の原因は複数あり、今回の記事でも理想とする子供の人数は「2人」が44.9%「3人」が34.1%となっているのに産めないのは子育てと経済の問題が大きなネックとなっています。昔は貧乏人の子だくさんなどと呼ばれ経済環境などに関係なく兄弟姉妹の多い家庭が一杯あったのに!

共稼ぎが多くなった現在は育児出産休暇やその後の職場復帰、時間外保育や放課後児童の見守り制度に教育費の軽減・子育てに理解ある職場環境・保育料の軽減・子供医療費の軽減・ひとり親に対する様々な援助などが求められています。

また、2世代住宅が少なく全ての面で助け合うことや教え合う環境も影響していることも事実ですが現代社会では分かっていても難しい問題があります。

そして何よりも決定的なのが若者の結婚観ではないでしょうか?今回のアンケートでも以下の答えに正直「唖然!」となりました。
【未婚・独身の理由】◆相手が見つからない50.8%
◆給与が少ない。不安定22.2%
◆自由や気楽さを失いたくない17.1%
◆結婚生活に自信がない15.9%
◆必要を感じない13.5%
との答えです。

【結婚し易い環境整備で望むこと】
◆出会いの場の創出37.6%
◆結婚祝い金や結婚休暇などの充実27.5%
◆住宅費用の支援23.9%
◆結婚が望ましいと思える気運づくり19.3%
◆結婚一時金17.1%
◆結婚サポーターの支援14.9%
などの回答となっています。


正直、驚いてしまいました。設問の仕方等にも問題はあるのかなと思いますが、いやはや現代の若者の積極性の無さ、依頼心の強さなど私ら団塊世代から見た時日本の将来に大きな不安を感じてしまいました。
相手が見つからない…?
結婚生活に自信がない…?
そして結婚祝い金や住宅費用の支援・結婚一時金、結婚休暇などの希望(おねだり?)
更に出会いの場の創出、気運づくり、結婚サポーターの支援ETC!!

団塊世代の私等は男も女も伴侶を獲得するには自分たち世代より約3割少ない中を探して見つけてきました。結婚適齢期はそれぞれの年代で違うかもしれませんが少なくとも20代の半ば位から30代の半ば位の間に『もし結婚できなければ…』と考えた時、このまま、両親と暮らすのか?
両親がもし亡くなったら一人で孤独な人生を送るのか?男性の場合仕事と家事(炊事・洗濯・掃除など)がずっと出来るか?若いときはともかく中年以降孤独な生活に耐えられるか。そして更に年老いた時の自分の健康など。それより何より自分が生きてきた証を残したい単純な生物的本能がないのか?今の若者は一体自分の人生設計をどう考えているのか。それとも何も考えないのか?

自分と人生や「生きる」ことをお互い理解して喜びを分かち合い、哀しみを半減するパートナーを自分で探そうとの強い意志は無いのか…?百恵ちゃんの唄ではないですが「日本のどこかで私を待っている人がいる〜♪」はずですよ!!
そう言えば就職しても部課長などの出世を望まず平社員のままの方が責任がなく気楽な人生が送れるなどの意見が多いとか…!また草食系男子などと軟弱な男が普通になっているしオシャレをカッコイイと感じる若者も昔に比較して少ないように思う。成人式でのアノド派手な衣装はオシャレではなく何だか自分には滑稽なコスチュームに見えるのですが…(失礼)

戦後の昭和24年に爆発的なヒットをした映画「青い山脈」の中で原節子は「男女交際を不潔でいやらしいことと思う考えは古い!男女の恋愛がもっとも完成された姿が夫婦だと思います」の台詞は当時の若者たちに多くの共感を呼んだと言う。

何かが足りない!!競い合うこと、自分の存在理由、人を(異性)を真剣に愛し一緒にいたい!、コミュニティの最小単位でもある夫婦・親子・家庭間の中で幸せな時間や人生をおくりたい(結婚で全ては解決できないけど)何か一生懸命に生きる若者が減少しているような…。いま私は感じて大いに反省しています。少子化の背景にあるのは本当は若者の無気力感ではないのかなぁと思いました。そしてその無気力、無関心などを育ててしまったのは全てを「これでもか」と与え続けてきた私も含めた団塊以降の世代の大人だったことを…。