V-storm50の時々日記 ハンニバル・レクター博士


久しぶりのスクリーン情報をお届けいたします。今回は名優アンソニー・ホプキンスの当たり役「ハンニバル」シリーズの
全4作です。映画は公開順に以下の通りとなります。
1990年「羊たちの沈黙FBI女性捜査官クラリスジョディ・フォスター)とレクター博士アンソニー・ホプキンス)の
心理戦と度肝を抜くクライマックス。この作品はサイコスリラーとして異例とも言えるアカデミー賞の作品・監督・主演女優
主演男優賞など主要部門を独占し、スーパーヒットとなりました。

次回作は2007年リドリー・スコット監督の手で舞台をイタリアからアメリカと移しながら人肉を喰らう狂気のレクター
博士とクラリスの微妙な関係と食文化への痛烈な皮肉を描いたその名も「ハンニバル」ここではハンニバルに復讐を誓う
大富豪のゲイリー・オールドマンがその怪演さを如何なく発揮する。
3作目は2002年「レッド・ドラゴン」この作品にはレクター博士と対極にいるフランシス・ダラハイトを名優の
レイフ・ファインズが背中一面の不気味な刺青で登場、レクター博士を逮捕したFBIの元捜査官でレクター逮捕の怪我で
精神を患ってしまうウィル・グレアムをエドワード・ノートンが演じ、3つ巴の心理合戦と異常な犯罪劇を描く。
そしてレクター博士の少年時代から青年時代を描きハンニバル・レクター博士の謎に迫る2007年の「ハンニバル
ライジング」

「われわれは内なる獣が、乳房にすがっていた時期から風に抗して現世に踏み入っていった過程をつぶさに眺めることが
できるだろう・・・」ハンニバル・レクター

皆さんはこの4部作をサイコスリラーと見るか、グルメ文化への皮肉と見るか、心の奥深いトラウマと見るか、人それぞれの
感じ方だと思いますが果たして如何?

レクター博士を演じているのは勿論 サーの称号をもつ「A・ホプキンス」ですが、映画を観ていて彼の演技に気づいた人
いますか?彼はセリフを喋っている時、まばたきをしないのです!だから彼のブルーグレイの瞳を観ている観客もまばたき、
し難くなり息苦しくなってハン二バルの異常な世界に取り込まれてしまうのです(名優の名演技って凄いと思いませんか!)


アンソニー・ホプキンス演じるレクター博士のこの目に注目!!
映画として第三作目になる「レッド・ドラゴン」は実は原作では第一作目「羊たちの沈黙」の後日談ならぬ前日談となる為、
映画ではオープニングでレクターがなぜ犯罪を犯し誰に捕まったかを描き、ラストシーンではFBIの研修生クラリス
ジョディ・フォスター)が尋ねて来るところで終わるという、何とも心地良い余韻を残しながら「THEEND」と
なります。

トマス・ハリスの原作「ハン二バルシリーズ」4部作を読むとトラウマがテーマの一つになっているようです「クラリス」の
少女期「ハン二バル」の少年期「レッド・ドラゴン」ことフランシス・ダラハイトの少年期と・・・「レクター」がなぜ
人肉を喰らうようになったか、なぜ「クラリス」を愛したのか?のヒントが原作を読めば解かります。

1941年リトアニアソ連に併合、そしてヒトラー率いるナチスに蹂躪される。リトアニアの名門貴族の末裔レクター城も
そして両親も失った12歳のハンニバル少年と妹のミーシャが見たものは!
そして彼の精神構造と価値観、美意識はどのように形成されていったのか・・・。

映画を観て興味がある人は原作も是非・・・。
原作「ハンニバル」で結ばれるレクターとクラリスは幸せになれるのかそしてハンニバル少年が体験した妹「ミーシャ」との
別れとは・・・
それは第4作「ハンニバル・ライジング」を観てのお楽しみ・・・。