V-storm50の時々日記 健康クラウドへの問題提起

見附市が進めるスマートウエルネスシティの中のひとつに健康クラウドがあります。このことへの不安のご意見を戴きました。

私が過去に聞いた話では市民の健康や医療体制の充実のためにも公立の総合病院の必要性があり市民も強く望んでいる。しかし、
殆どの自治体が経営している公立の病院は残念ながら赤字と医師不足に悩んでいる現実がある。見附市もその例外にもれず、赤字と
医師不足に悩んでいます。現代医学は益々専門医療となり内科でも例えば胃の専門医、糖尿、循環器、など様々な専門性が求められていて
医師不足に拍車をかけています。医師の派遣は医師会や医科系大学との強いパイプやコネが必要でおいそれと必要な医師を派遣して
くれない現実が横たわっています。


医師の確保は今後も努力をしながらも逆の発想からそれならば市民を出来るだけ健康にして医療機関に余り依存しないまちを目指そうとの
現市長の発想からこの「スマートウエルネスシティ」日本一健康なまちをめざすがスタートしました。
健康を健幸と言う字を当て、健幸になるための様々なコンセプトを集合させました。以下、健幸のキーワードは…
◆歩きたくなるまち=まちなか賑わい創生、歩道や自転車レーンの整備、景観づくり、花や緑などなど
◆いきいき健康教室など仲間をつくり励ましあいながら楽しく健康維持を継続する
◆食育や脳の健康、活性化や朝食と脳の働きの関連性、熟睡できる睡眠、地消地産など地元でとれる新鮮で安心な食材などなど
◆車から人へのスピードを抑制した道路整備の数々(ライジングポラードなど)公共交通網の拡充
◆高齢者がいきいきと楽しく暮らせる環境整備(ハッピーリタイヤメント事業の数々)脳の健康教室、認知症予防や心の体温計などなど
◆健康、医療、など市民の健康度の見える化を目的とした様々なデータの一元化や情報の共有化への取り組み(データベースの構築)

代表的なものですが様々な施策を打ち出しました。この結果年間1人あたりの医療費は約10%抑制され介護認定も県内で一番低いなどの
好結果が得られています。勿論、因果関係が証明された訳ではありませんがある一定の効果と見て差支えないと思います。


つくば大学の久野教授というよりつくば大学が研究している健康や体や心の関わりなどのノウハウを取り入れより一層、市民の健康を様々な
取り組みの中で行っています。またつくば大だけではなく東北大の川島教授も昨年12月に迎え朝ごはんと脳の活性化の関係などの
講演会も実施しています。行政の職員と言えども当然スペシャリストやエキスパートではありません(2〜3年で部署が変わることも
よくあります)トータル的なこのテーマに様々な知恵を集結させなければ出来ないことだと私は思います。
このスマートウエルネスシティは全国13府県19市の首長研究会があり、最早、健康は個人の問題ではなく超高齢化社会を迎えた日本全体の
大きな問題であり克服しなければ国家財政が破たんしかねない状態となりつつあると思います。
市民を実験台に使っているのではとの高石市の市議さんのご指摘ですが実験台とは例えばモルモット替わりなどの印象を持たれる言葉
ですが実証実験を繰り返しながら市民の健康度、幸福度などを総合的に民間で言うなら費用対効果を年度ごとに明らかにすることは
行政の見える化にも繋がると私は思いますのでそう言う意味なら実験、実験台とも言えるしそれでいいのではと思います。


別の例を挙げれば市内循環のコミュニティバスのコースやダイヤを見直して利用率や利便性なども毎年実証実験を繰り返しながら改善
しているのではないでしょうか。これも言葉を変えれば利用する市民を実験台にしています。
最近よく耳にするクラウドはご存じの通り直接的な意味は「雲」ですがここで言うクラウドはさまざまなデバイスからアクセスして
インターネット上(雲)からデータを見ることですがここには問題として個人情報の問題など今、国も検討している国民総番号制導入
などもあるかと思います。各病院や医療機関がそれぞれ独自のソフトで電子カルテ化していますが病院間や病院と医療機関と健康福祉課
などが総合的にリンク出来ずにいます。例えば医療と介護など密接な関係なのにリンク出来ない問題もあります。長岡で手術や診断を
受けたがリハビリやその後の定期的な通院などは便利な地元で出来れば大変便利ですがこれには各施設でデータの共通化出来なければ
手続きが難しいようです。


ヘルスリテラシーと言う言葉も最近よく使われます。
ヘルスリテラシー(ヘルス・リテラシー(health literacy)とは、健康面での適切な意思決定に必要な、基本的健康情報やサービスを調べ、
得、理解し、効果的に利用する個人的能力の程度を意味する。医療リテラシーとも称される。
パンフレットの図や文章を読んで理解したり、医療機関の診療予約を取れるにとどまらず、健康情報を効果的に利用し、健康維持・増進に
役立たせる能力を向上させるのに重要とされる。また、個人的能力にとどまらず、より広く、ヘルスケア・教育システム・社会文化的因子を
包含する考え方も出てきている。ヘルスアウトカムのモデルを提唱したナットビームは、介入効果の重要な3つの指標のうちのひとつとして、
ヘルス・リテラシーを挙げている。
ヘルス・リテラシーに関する公衆衛生での目的は、社会市民の保健に関する知識・理解・能力を向上させ、より健康的な生活を送れるように
することである。)見附市のほか「健康長寿社会を創造するスマートウエルネスシティ総合特区」の申請は見附市をはじめ福島県伊達市
新潟市三条市岐阜市大阪府高石市兵庫県豊岡市それに筑波大学、㈱つくばウエルネスリサーチなどが国から選ばれこれからそれぞれの
自治体や研究機関で独自の取り組みが行われます。これも大きな括りの実証実験とも言えるのではないでしょうか。
今後も各自治体や団体での取り組みの成果を持ち寄りながら見附市に適合するものがあれば検討することになるのではと思います(各自治
団体の事業内容は当然それぞれの地域に合うオリジナルの内容になっています)


私もこれらのことを注視しながら必要があれば議会で議論させて戴きたいと思います。問題提起有難うございました。