市民シアター11月上映は?

深まりゆく秋、そして訪れる冬。日曜の昼下がりは極上の名作映画を楽しみませんか。
クールビューティ グレース・ケリーが殺人犯?!
サスペンスの神様アルフレッド・ヒッチコック監督の「ダイヤルMを廻せ!

日時)平成23年11月27日(日)午後1:30〜上映(早めにご来場下さい)
場所)見附市立図書館(2F視聴覚室)
申込)不要・入場無料(先着順です)
作品)アメリカ映画1954年(昭和29年)アルフレッド・ヒッチコック監督作品 105分
出演)グレース・ケリーレイ・ミランド、ロバート・カミングス、ジョン・ウィリアムズ

【あらすじ】
 F・ノットが自身の舞台劇を脚色した、ヒッチコック・ミステリー。若く美しい妻マーゴ(ケリー)の
不倫を知った夫のトニー(ミランド)は、彼女の殺害を企む。自分はマーゴの不倫相手マーク(カミングス)と
パーティへ出かけ、その間に旧友の悪党レズゲートに妻を殺させようというのだ。だが計画は失敗、マーゴが逆に
レズゲートをハサミで刺し殺してしまった。思わぬ展開に焦りを隠せないトニーは、実はマーゴが不倫をネタに
脅迫されており、そのためにレズゲートを殺したというシナリオに変更する事にするのだが……。
サスペンスの神様ヒッチコックが作った名人芸!を堪能して下さい。
ヒッチコック監督お得意のポーズ

【見どころ】
元が舞台劇だけに、ほとんどの舞台となるアパートの造りを上手く利用した構成は巧みで、鍵をはじめとする小道具の
使い方もお見事。レイ・ミランドの気品溢れる知能犯ぶりの好演、グレース・ケリーはいつもながら美しく、事件の
“鍵”を見つける警部に扮したJ・ウィリアムズがいい味を出している。ヒッチコック円熟期の傑作です。
レイ・ミランドはイギリス出身だけあって、どこか貴族的で威厳のある雰囲気があります。まさにミステリーに似合う
俳優だと思います。この映画は、犯人も犯罪の動機も最初から観客に教えてしまうと言う「刑事コロンボ」の原型そのもの
だと思いますが、レイ・ミランドが実はその後「刑事コロンボ」に2本出演しているのは、面白いところです。
完全犯罪をもくろむ犯人が状況の変化により身の振り方を変えていく話は先が全く読めなくてドキドキ。毎度のことながら
洒落のきいた会話とスリリングなカメラワークは冴えわたっていて、見ている側の注意を惹きつけます。時折入るユーモア
も素晴らしい。そして登場人物が魅力的なのもヒッチコックの力です。どんな時も機転が利いて冷静な犯人、実にいい
タイミングな推理作家。それが映画的に自然な感じで描く演出はさすがの一言。刑事役のジョン・ウイリアムズ(これがまた
良いキャラ!)が最後に反撃に出るところのカタルシスは最高です。
この作品で世界中の男性映画ファンから「クールビューティ」と言われた紅一点グレース・ケリーの魅力は恐ろしいくらい綺麗で
気品があります。現代で当てはまる女優って絶対いないと思います。グレース・ケリーそれだけで画面を持たせてしまいます。
タイトルの通り当時はダイヤル電話で携帯電話が氾濫する現代では考えられない話でまさに古典といった面持ちですが、名作と
言われてしかるべき作品と思います。
事件を解決したジョン・ウィリアムズが満足そうに自分の口髭を櫛でなでるラストが最高です。

クールビューティ グレース・ケリーに背後から忍び寄る犯人