V-storm50の時々日記 セミナー参加



先週の8月1日と2日の2日間滋賀県大津市にある『全国市町村国際文化研修所』で全国の市町村議会議員のための研修会が
行われました。北は宮城・秋田県より南は沖縄県まで243名の議員が参加し、私の会派「清和クラブ」4名で参加して来ました。
出発前夜より猛烈に降り始めた豪雨の影響で翌日の始発より信越線は上下線とも運転を止め、再開の目途もつかないため、
急きょ、タクシー3社と交渉したが3社とも豪雨の影響で車両が出払い、手当てが出来ないとのこと。しかたなくマイカーにて
長岡駅まで参加者4名で向かい上越新幹線東海道新幹線を乗り継ぎ午前11:50頃研修所に到着。午後からの講義を受講
致しました。初日午後より2つ、そして2日目も2つの講義を受講してきました。


2日間の講義を受講し、午後12:50大津市を出発、京都から東海道新幹線で東京に到着しましたが上越・東北・長野新幹線
が大宮駅での停電で大幅なダイヤの乱れで乗り継ぐMAXとき335号も1時間くらい遅れて出発。長岡到着も当然遅れ、信越
への乗り継ぎもうまくゆかず、長岡駅でも50分程度の待ち時間となるなど2日間ともさんざんな目にあいました。
しかし、2日間は内容の濃い講義でとても参考になりました。全国から参加した多くの議員とも初日の夜の交流会で
コミュニケーションが出来、多くの課題で共通していることを実感しました。講義の中でピックアップしたレポートをお読み
下さい。


講義レポート【都市再生とコミュニティ創生で進める持続可能な協働のまちづくり】
講師 東京都三鷹市長 清原慶子氏(1951年生まれ 慶応義塾大学在学中より在住の三鷹市で市民参加を体験し、平成15年(2003年)三鷹市長に就任、現在3期11年目その豊富な市民参加の経験を生かし2005年に制定された「三鷹市自治基本条例」に基づき「市民参加と協働のまちづくり」の推進をはじめ「コミュニティスクール・小中一貫教育」など先進的な市民と行政との協働のまちづくりで全国でも注目される。
新宿から約15キロに位置し面積は16.5キロ平方メートル 人口180,223人 世帯数89,513世帯
三鷹の森ジブリ美術館山本有三記念館、太宰 宰サロンなどが有名)

講義のはじめに三鷹市自治基本条例の特徴を紹介
① 市民にとって最も身近な政府として市町村優先の原則に基づく改革として地方分権の課題として「中央政府」と「地方政府」間の「政府間関係の改革」と規定
三鷹市のこれまでの実績を明文化(情報公開・オンブズマン・パートナーシップ協定・コミュニティ自治等)
③ 新たな自治の制度・仕組みの創設(パブリックコメント手続・市民会議・審議会等の公開・副市長制度『自治法改正以前に独自規定』・住民投票制度
また、三鷹市自治体経営白書の発行、各部の運営方針と目標の策定公表、事務事業総点検運動や行財政改革の推進など市民参加や市民に見える行政の推進などを紹介。

そして「都市再生」の直接的なきっかけとなった小中学校で見つかったアスベストから総点検、耐震改修や体育館建て替えをPTAや市民と協働で進める。更に市場跡を市の防災公園多機能複合施設として整備する。

市民との協働として「コミュニティ創生」の具体的な取り組みとして
① 少数公募市民とテーマ別に「市長と語り合う会」(例・初めての夏休みについて小1との会など)
② 無作為抽出による市民会議・審議会委員の市民参加

職員の人材育成への取組み
① 市長と職員とのトークセッション(月1〜2回10人程度と80分182回延べ2,202人と対話)
② 職員提案の「ベストプラクティス市長表彰」の実施
③ 職員ハンドブックの作成 重要施策等の職員執筆によるハンドブックを作成、職員間で共有

清原慶子市長は大変エネルギッシュに講義を進められ、市民と行政とのまちづくりの具体例をまず将来の三鷹市の担い手である子供たちの小中学校施設の点検、耐震化、建て替えなどで保護者や地域住民との協働で推進し、そして市民と行政との目に見えない垣根を様々なツールで取り去り、市民と職員との信頼関係や距離を近づけ、更に市長と職員間の信頼関係や言い易い関係づくりを築き上げたようです。
そして国や東京都との位置や関係の明確化と役割分担を構築し、それぞれの役割りや責任をはっきりと市民や職員に分かり易く説明したように思います。

今回の清原慶子三鷹市長の 【都市再生とコミュニティ創生で進める持続可能な協働のまちづくり】だけでなく他の3つの講師の講義を拝聴しても「まちづくり」「市民と行政の協働」など、地方自治基礎自治体が抱える問題やテーマは共通していました。そのことは初日の夜の立食パーティー形式の交流会で北は宮城・秋田県、南は沖縄県まで243名の市町村議員との懇親の中でも共通のテーマや問題を強く感じました。
少子高齢化に伴うさまざまな諸問題
・地方経済の疲弊による税収の悪化(地場産業・農業の縮小)インフラの更新、多様な住民ニーズ
・自然災害への対応
・まちなか賑わいの再生、地域コミュニティの構築
などなど共通な悩みを話される参加者が大勢でした。以下、私が感じた、いくつかのキーワードです。
・民間(市民・住民)の問題意識とそこから始まる市民活動(民間の活力)
・自分たちのまちの歴史や過去から学ぶこと(まちづくりの基本はまちの産業文化の発信)
・担い手である子供たちを育て一緒にまちに愛着心をもち、まちづくりに関わる・思いつきや一過性でなく、小規模再開発など継続性ある取組みへの共通認識と持続する燃焼力・ディスカッションパートナーは職員と市民。お互いが知る・気づく・そして行動する
・行政だけに頼らない民間投資の誘発(住民ファンドなども時には必要)
・市街地での交通計画や地元商店街の再生、車社会との決別。新しくて古いまちづくりへの挑戦・個人最適や地域最適から全体最適への意識改革(土地の総有等の考え方)
・現在の企画や計画を推進することと、更なる未来図を描けるか(まちの未来図をみんなで築く)
また、このようなセミナーを受講したり、全国様々な地方の参加者とのコミュニケーションで感じることは我が見附市も先進的な取り組みや市民と協働のまちづくりなど頑張っていることが分かると言うことです。今回の研修を生かしたいと思いますが、それにしても政務活動費が年間5万で県外1か所でその活動費がほぼ無くなってしまう現実が情けなくなります。