V-storm50の時々日記 会派視察報告



11月8〜9日の2日間千葉県幕張にある「市町村アカデミー」の開設25周年記念特別セミナーがあり参加してきました。
この市町村アカデミーは財団法人 全国市町村研修財団が運営する市町村職員中央研修所で基本的に宿泊して研修や
講習を受ける施設で全国の自治体職員や市町村長、市町村議員などが利用する施設で講堂をはじめビジネスホテル並み
の宿泊施設や談話室、食堂など宿泊して研修を受ける設備が完備しています。


今回はこの施設の開設25周年の記念特別セミナーで市町村長が50名市町村議員が268名で300名を超える受講生が北は
北海道から南は九州熊本まで全国から集まりました。新潟県からは見附市4名小千谷市1名妙高市9名上越市8名の市議が参加しました。
学長の開講の挨拶後、講演の初日は「これからの政治の行方」と題し朝日新聞オピニオン編集長 星 浩氏の講演と2番目に
「最近の分権議論に危惧すること」と題し第30次地方制度調査会長 西尾 勝氏(元東大教授・学部長、日本学士院会員)の
講演が行われ、そして2日目には「国の出先機関改革と道州制をめぐる諸問題」と題し小早川光郎氏(元東大教授、現成蹊大学
大学院教授)の講演、最後にパネルディスカッション「今後の広域行政と基礎自治体のあり方」をテーマにコーディネーター
に明石道夫(自治通信社内政部長)パネラーに佐賀県多久市長横尾俊彦氏、北海道ニセコ町片山健也氏、関西学院大学経済
学部教授の林宜嗣氏のディスカッションが行われた。

以下、印象的な言葉を箇条書きしてみました。
□これから自治体間の特色が出る時代に入る。地域力が必要。自治体運営の変化の時代。
□行政の守備範囲を見直す新たな行政の手掛かりは自治体と民間、住民との連携
平成の大合併の検証も行われない中、性急で安易な道州制論や更なる市町村合併は慎重にすべきこと
□副作用のない改革は無い。どうやって副作用を軽減するかは次の議論
□弱体でネジレ現象の民主党の現政権下では道州制は実行できない
□地方議会は地域の縮図。首長と住民そして議会(議員)のコラボレーションによる住民参加型の新たなる進化した民主主義
 の時代に入った
□合併の前に広域連合で環境、し尿、消防、病院など連携共有+できる部分の検証が重要
□国や県に対する地方自治体の根強い不信感。特定広域連合の自主性・自立性が担保出来るか
道州制推進論が市町村の更なる大規模な合併を道州制の絶対条件であれば、到底賛成できない
□真の地方分権は必要、スケールメリットだけを理由に合併し寂れるまちが出来ることは避けなければならない
□地域力の重要性は認識しているが日本人が一番悪いのは抽象的な言葉「豊かな社会」「活力ある社会」「安全な社会」などは
 具体的でなく実行の効果が期待できない

□生活満足度は地方が高い。だけど生活満足度の低い都会より働く場が少ない。若者が住みにくい地方をどう変えるかが地域力
□合併しても人口減少は止まらない

そして初日の夜の懇親パーティー神奈川県藤沢市(人口は見附市の10倍の41万人)の市議と話が出来ました。その市議から
「あのスマートウエルネスシティの総合特区となり会長を務めている見附市ですね」「凄い、市長と市議会ですね」
とお褒めの
言葉を戴きました。

2日間の日程を終え、都内に戻り午後より靖国神社の視察を行いました。拝殿付近は撮影禁止でしたが、資料館「遊就館」には
ゼロ戦をはじめ数々の展示物がありました。国のために命を捧げた英霊たちに対し、私たち現在を生きてる国民一人ひとりが日本をもっと
いい国にしなければと改めて誓いました。有意義な視察であったことをご報告致します。