大河ドラマ考

6月議会を前にその準備をしながら時々大して使ってない頭ですがリフレッシュをと、スカパーの時代劇専門チャンネル
特集をしている過去のNHKの大河ドラマを見ています。いやぁ〜これが面白いこと!オモシロイこと!見たのは昭和45年
の「樅の木は残った」47年の「新平家物語」昭和52年「花神」だが特に「樅の木は残った」が出色の面白さです。
勿論、放送されたのは総集編の前編・後編で合わせて3時間20分ほどのダイジェスト版ですのでかなり端折られています。

皆様の中にも当時ご覧になられた方も多いのではと思いますがこのドラマは山本周五郎著の同名小説をほぼ忠実にドラマ化
しています。徳川四代将軍家綱の時代に将軍さえも下馬して礼をしたと言われた老中酒井雅楽頭(うたのかみ)により外様
大名とり潰しの標的にされた仙台伊達家の家老原田甲斐の苦難を描いた作品でのちの世で伊達騒動の極悪人と言われた甲斐の
本当の姿を描いています。甲斐には平幹二朗雅楽頭には北大路欣也、甲斐を慕う孤児うのには吉永小百合、同じく慕う村娘
栗原小巻、甲斐の母に田中絹代、伊達兵部の佐藤慶など日本屈指の演技陣によって重厚なドラマが展開する。

ここ最近の大河ドラマの軽薄さや演技陣の物足りなさとはこれが同じシリーズなのかと疑うほどです。一言で云えばレベルが
違います。スケール感、ドラマ性、存在感のある役者陣、緊張感溢れるドラマ展開、当時の武家社会や町人文化などの時代性、
さらにドラマが訴えるメッセージ性の高さなどなど・・・。見終わった後、深くて何とも言えない虚脱感が残りました。

原作も読んでいたのでほぼ忠実にドラマ化されていることも好印象でした。テーマ音楽やタイトルなどすべてが完璧です。
もし、現代の技術(ハイビジョン、サラウンド音響、CG特殊効果など)が当時使えたらと思うと残念でたまりません。
ここ最近まともな時代劇が見れないことを本当に残念に思います。プロデューサー、演出家、時代考証、衣装、照明、大小道具
メイク、かつらなどのスタッフや時代劇に使える役者がいなくなったようですね。スカパーで6月から5か月間放送される
藤沢周平シリーズ」が楽しみです。